篠ノ井中央公園での害虫防除・駆除実施について
現在、篠ノ井中央公園では「コスカシバ」と「マメコガネ」の防除・駆除の対策を行っています。
コスカシバとは主にサクラやウメなどのバラ科樹木に被害を出します。樹皮の割れ目や傷口に産卵し、
卵がふ化すると樹木内部を食べながら潜っていきます。そのまま内部で越冬し、翌春3月頃から再び
樹木内部を食べながら成長していき、成虫となって飛び立ちます。
コスカシバの被害にあった樹木は形成層という植物が成長するのに大切な部分を食べられてしまうため、
樹勢が弱まり他の病害虫の被害が増え、枯れてしまう可能性が高くなります。
これらの被害を抑えるため、今回はスカシバコンLというフェロモン剤を使用しました。
フェロモンとは簡単に説明すると同じ種類の生き物同士がコミュニケーションを取るために出す匂いで、
これを利用して外敵に襲われたことを伝えたり、異性を探したりします。
使用したフェロモン剤にはコスカシバが上記の異性を探すために使用しているフェロモンを阻害させる
成分が入っており、オスとメスの交信を邪魔し交尾をさせないことで数を減らす仕組みになっています。
このフェロモン剤は害虫に対して直接散布するものではなく、オレンジ色のチューブを木の枝に巻き付け
使用します。園内では主にサクラの木に設置しました。(下記写真参照)
マメコガネはコガネムシの一種で、目にした事がある人が多いかと思います。
幼虫は芝生や植物の根を食べ、成虫はありとあらゆる植物の花や葉を食べてしまいます。
園内でも花壇の土を掘れば幼虫がいて、成虫にはバラの花をかじられるなどの被害が多く出ています。
マメコガネに対してはフェロモン剤を使用し、捕獲するトラップを設置しています。
匂いに寄せられ集まってきたマメコガネが容器の中に入ると出られない構造になっていて、
中がいっぱいになるかフェロモン剤の効果がなくなるまで捕獲することができます。
この捕獲トラップは地上から1m程の高さに来るように木の枝に吊るして使用します。
三角花壇とレンガガーデンの2ヶ所に設置しており、少し目立つ大きさをしています。(下記写真参照)
どちらの資材も対象の昆虫(今回はコスカシバとマメコガネ)だけに効果があるものになります。
他の昆虫の活動を阻害したり、捕獲してしまうものではございません。
また人や動物に対する安全性の高いものを使用していますのでご安心ください。
11月頃まで設置を予定しています。ご理解・ご協力の程、よろしくお願いします。