篠ノ井中央公園フラワーガーデンにあるサンパチェンスの半分ほどが、生育不良となってしまいました。
特にピンク・濃ピンクの株が多数、著しく被害を受けました。
イベントでお世話になった(株)サカタのタネの担当者様に相談し、回答をいただいたところ、
症状は立枯病、モザイク病、ハダニ・ホコリダニ害などが考えられ、同じ株に併発しているものもあるとのこと。
なぜこのような症状が出てしまったのか?
高温多湿、雨の降り具合などそれぞれの原因があるとは思いますが、一番の原因に思い当たる節がありました。
原因を突き詰めていくと、植栽前の土壌改良が不十分だったことが考えられます。
つまり「土づくりがしっかりできていなかった」ということです。
土づくりがしっかりできていれば、サンパチェンスの生育初期に広く、深く根を張らせることができ、このような症状が起こりにくい丈夫な株に育てることができたのです。
今回の土づくりでは、牛ふん堆肥を3kg/㎡、元肥を適量施し、耕耘した、という状況でした。
これでは何が足りなかったのか?大きく2つの原因が考えられます。
1つはフラワーガーデンの土が砂っぽく、また締め固まりやすい土であったため、改良(保水性・保肥力を向上)するための堆肥やその他資材が足りなかったこと。
もう1つは、フラワーガーデンの同じ場所にサンパチェンスを植栽するのが2年目だったことです。
サンパチェンスは、1つの株が大きくなり、初夏から秋までたくさんの花を咲かせ続けます。
そのため、たくさんの水や養分を必要とします。
土が砂っぽく、乾燥しやすければ、根に十分な水を供給できません。
また、昨年同じ場所にサンパチェンスが植栽されていれば、その場所の土からはすでに、養分がたくさん吸収され、なくなっているということになります。
今回の土づくりでは、サンパチェンスにたくさんの水分と養分をあげるためには不十分で、生育初期に十分な根を張らせてあげられなかったのです。
根が十分に張るには酸素も重要なので、酸素を供給するための改良(土の隙間、団粒構造をつくること)も不十分だったと思います。
もちろん土づくりをしっかりしていても、病害虫が発生することはあります。
しかし、そうでない場合に比べて症状が抑えられたり、被害が大きくなるのを防ぐ効果は大きいと考えます。
これまで公園の花壇や公共の花壇を作成、管理する中で、様々な植物と触れ合ってきました。
土壌改良も含め植物の育成方法、管理方法はある程度理解していたつもりでしたが、本当に「つもり」だったようです。
サンパチェンスへの理解不足、土の状態の適切な把握と土壌改良不足などなど反省点がいっぱいです。
「FM長野エバーグリーンキャンペーン サンパチェンスミーティング」にて、参加者30人ほどで植えたサンパチェンス。
サンパチェンスの生育を楽しみに、イベントに参加、植栽していただいたみなさまには、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
しかし落ち込んでいるだけでは症状は進むばかり。
できる限りの対処と、秋までサンパチェンスを楽しむ工夫を試みました。
まずは発生した病害虫に対して、殺菌剤や殺ダニ剤を散布。
症状が著しく、再生が見込めないものはやむを得ず抜き取りを行います。
症状がない、また比較的症状が軽く再生が見込めるものについては、移植を行いました。
同じ場所では全体がさみしく見えてしまうため、フラワーガーデン周辺の時計塔やコンテナへ移植。
残ったサンパチェンスがきれいに楽しめる場所に移動しました。
まだこんなに暑いのに、移植してしまってごめんよ、とサンパチェンスに謝罪しながら。
植栽に参加いただいた方、またそうでない公園の利用者の方々も、秋までサンパチェンスを楽しんでいただければ幸いです。
来年以降の対策についても、考えなければなりません。
植える場所を変えようか、と思案中です。
他の花壇の土は、毎年堆肥などの土壌改良を行っているので徐々に土が良くなっているのに対し、
フラワーガーデンの土は毎年堆肥やらを入れているにもかかわらず、改善に向かわないことは感じていました。
おそらく公園ができる前の土質や、公園造成時の土の影響などでしょうか。
公園にはたくさんの花壇がありますが、花壇ごとの土質を改めて見極める必要がありそうです。
やっぱり土が大事だよ、と人には言う割に、自分の土づくりが甘かったという情けない結果を教えてくれたサンパチェンス。
サンパチェンスの花壇だけでなく、公園全体の花壇について、土づくりをもう一度徹底していきます。
酒井